組み込みエンジニアから、Webアプリエンジニアに転身しました。
突然ですが、転職いたしまして、この5月からWebアプリエンジニアになりました。
転職をしようと決めたのは2月の末ごろでした。 決めてからはトントン拍子に進んで、2週間ぐらいで転職先が決まりまして、この5月から入社した形です。
もともと、「組み込みエンジニアが週末を使ってWebアプリエンジニアになるブログ」と謳って始めた本ブログでしたが、週末だけに留まらず、本職を変えてしまうことになりました。
今後、この決断がどういった結果をもたらすのかはわかりませんが、今の時点の気持ち、転職を決めるにあたって考えたことを記しておきたいと思います。
もっとWebアプリに触れる時間が欲しかった
前職はそこそこに忙しく、Webアプリのために多くの時間を割くのは難しい状況にありました。 帰宅後の夜や週末の限られた時間を使って取り組んでいたものの、目指すスピード感にはほど遠いなと感じていました。
Webアプリの勉強を始めてからは、久しぶりに技術的に新たな刺激となっており、とても楽しく充実感があったので、そのために時間を割くことができない日々は、正直言ってかなりもどかしかったです。
そのため、もっとWebアプリに日常的に触れていられる環境に身を置きたいという思いが強くなりました。
もっと成長できる環境に身を置きたかった
前職は規模の大きい企業だったことや、歴史の長い企業だったこともあり、いわゆる「上が詰まっている」状態がかなり顕著でした。
また、完全な年功序列制であり、年齢が上がらなければ待遇は上がらず、同時にできる仕事のレベルも上がらない仕組みでした。
そのため、今やっている仕事のレベルから一段上の仕事をやれるのは、おそらく数年後になってしまう見込みでした。
会社としてソフト開発への理解や投資も乏しく、手を挙げても挑戦することもなかなかできない状態にありました。
そういった状況を鑑みて「20代後半の、一番成長できる時期に、本当にここにいていいのか?自分の成長に蓋をしてしまっているのではないか?」ということについては、ずっと懸念に思っていました。
組み込みという閉鎖的な分野であり、その中でも職人的要素の薄いアプリケーション層を担当していたこともあって、このままでは企業ロックインしてしまい、ソフトエンジニアとして世の中で通用しなくなってしまうのではないか?という危機感もありました。
このようなことから、決して前職の企業体質を批判するわけではないのですが、私にはもっと違う環境が合っているのではないか、という思いが常にありました。
もっと本質的に価値のあることをやりたかった
前職は元々は事業会社ですが、最近ではOEM比率がかなり上がっていました。
OEMの事業はクライアント(発注元の企業様)の求める製品を作りますので、当然、クライアントの意向を汲みながら開発していくことになります。
この時、両者で本当に価値のあるものを追求していければよいのですが、クライアント側のソフトウェアに関する理解が乏しい場合や、企業としての力関係に大きな差がある場合、そうはならないことが多いです。
ある種、パワーゲーム的な面が存在してしまいますので、クライアントの議論・説得を試みることすらできないまま「会社としては価値がないと判断していても、クライアントの要望があるから開発する」といったケースや、「意味がないけど、クライアントが要望しているから資料を作成する」といったようなことも、日常茶飯事です。 酷い場合には、これらの作業が全工数の3割〜半分程度を占めてしまうこともあります。
プロダクトやサービスの本質的な価値にコミットしない仕事に、それだけの工数をかけているわけです。そして、そこでかけた工数は、もちろんユーザーが購入するプロダクトの価格にもダイレクトに影響します。
企業同士のビジネス上のやりとりとしては、これらが重要な意味を持っているであろうことは重々理解しています。
しかし、本来は「無くなるべきもの・こと」であることは間違いないと思います。
企業同士の関係性やビジネス上の駆け引きといった余分なことが、プロダクトやサービスの本質的な価値を損なっている状態に思えました。
そして、そういう仕事をしている自分が非常に虚しく思え、モチベーションがなく、疲れてしまっている状態でした。
そのため、転職にあたっては「なにをやるかを全て自分たちで決めて、その結果の責任が全て自分たちに返ってくる」という性質の仕事をしたいと思いました。
その答えが「自分たちのプロダクトやサービスを直にエンドユーザーに届ける、事業会社」という選択でした。
そして転職へ・・・
そんなわけで、主に人材採用の領域でWebサービスやスマートフォンアプリの展開をしているベンチャー企業に、Webアプリエンジニアとして入社しました。 今はバックエンド周りの開発を担当しています。
転職先を決めるにあって、重視していたのは下記の様な点です。
- 優秀なエンジニアが多数在籍している(成長を加速できる要因として)
- 受託をやっていない事業会社である(会社として腹落ちした価値のあることに取り組める)
- 挑戦を尊ぶ風土がある(成長を加速できる要因として)
- ソフト開発に対する投資に積極的である(環境の制限がボトルネックになり辛いこと)
- ビジョンに共感できる(ここがズレると、色々なところで違和感を感じてしまうので)
私はWebアプリ開発については業務での経験は全くなく、前職ではほとんどコードを書いておらずマネジメントがメインでしたので、ポテンシャル採用のような形だったかと思います。
入社して一ヶ月経ちましたが、今のところはおおよそ想像していた通りの環境で、非常に刺激的です。
急拡大中の企業なので、課題も多く、課題を解決するのにマッチした人材が足りていない印象もあり、私のこれまでの経験を活かせる領域も大分ありそうな気がします。
現時点での私の強みは、マネジメントや要件定義(広義の企画)といった部分だと思いますが、これを活かすための地盤を作る意味でも、まずはWebアプリエンジニアとしての基礎力を鍛えることと、自社サービスの全体像を理解することに注力したいと思います。
目指す方向性としては、技術にトコトン注力するというよりは、よりよい開発ができる文化作りや、ビジネスをエンジニアリングの視点からドライブするというようなところにコミットできるようになっていければと思っています。(現時点の考えなので、半年後、一年後にどういう考えになっているか楽しみです)
ひよっことはいえWebアプリエンジニアになったので、大手を振ってそっち方面の勉強会に出かけられる(!)ということで、今後はそっち方面のイベントに顔を出したりすることも増えるだろうと思いますので、諸先輩方につきましては仲良くしていただけましたら幸いです。
よろしくお願いします!